技術的なおはなしvol.18「表裏半切れの話」
いかがお過ごしでしょうか?
暑い日が続いています。
アイスが食べたいです。
今回は、表裏半切加工についてお話しします。
早速ですが、下図が言わずと知れた「きのこの山」です。

小さな時から、きのこ派の私にとって、「たけのこの里」は常に二番手以下でした。
〇十年生きてきて1回しか買ったことがないぐらいです。
結婚して家内がたけのこ派と知り、世の中にはそういう人もいるんだあぁと思ったのが遠いむかし。
きのこたけのこ大調査はたけのこの圧勝だったようですね…
https://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/kinotake/cmp/daichosa2020/
今回ご紹介したきのこたけのこに限らず、多くのパッケージで「ジッパー」が使われています。

ジッパーとは摘まみ口から短い任意の形の刃で連続に切れ目を設け開封させる仕組みのことを指します。また任意の形も「へ」の字だったり、「Y」「J」など様々な形があります。抜型作り、打ち抜き加工双方にとって、ある意味やり慣れたものですので、恐らくそれほど抵抗は無いかと思います。
20年ぐらい前でしょうか、某アイスクリームでジッパーを開けたら、紙の粉が中の製品にかかったというクレームが起きたと聞いたことがあります。個人的に検証したところ、そもそも中の製品に霜がついて確認できませんでした。
ここからわかることは、「開けるときに紙の粉が落ちるかもしれない」「切れ目を入れているので空気が出入りしているかもしれない」ということでしょうか、まぁ欠点というほどではないと思いますが…
もしこれが問題というのなら「表裏半切れ」はいかがでしょうか?
紙の表と裏の両方から一定の幅を確保し半切れすることでジッパーの用途を持たせたものです。
有名なのは以下の製品ですね。

幼稚園生でも開けることができました(笑)
私の知る限りこの製品以外は見かけませんが、二昔前は一部で採用されていました。
食品ではなく、洗剤ですね。
今の主流はジェルで、その一世代前が液体洗剤、その前は粉洗剤でした。
粉なので湿気があると固まっちゃうんですね。
それを防ぐために、表裏半切れでフタをして、吸入を塞いでいました。
(アイスの場合は推奨していないと思いますが…)

読んで字のごとくですが、表裏半切れなので、裏側からも刃が入らないといけません。
普通にやると裏抜き→表抜きの2回戦ですが、それだと打ち抜きが2倍になってしまいます。
弊社では、1回でできる型を作成しております。


近年SDGsの流れからジッパーのパッケージをフィルムで包む、逆にジッパーのパッケージの内部に軟包材で包んだ製品を入れるというやり方は減っていくのかもしれません。そんな時に「表裏半切れ」を思い出してもらえればうれしいです。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。
これから夏本番!ぜひご自愛くださいませ(だ)
by diemex | 2023-06-19 15:59 | Trackback | Comments(0)