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技術的なおはなしvol.17「熱膨張の話」

いかがお過ごしでしょうか?


東京は雨が続いていますね。

明日からは晴れるようですが、30℃の予報がでています。

体に気を付けながらやっていきたいと思います。


さて、今回は熱膨張の影響について考えてみます。


先日、同業の社長様と会食の中で、面白い話をお聞きしました。

抜いた後の型をさわったら、刃がすごい熱くなっていたそうです。

弊社でもずいぶん昔、型に温度シールを貼って測定したことがあります。

その時は40℃程度だったのであまり気にしませんでしたが、そこまで熱くなるとは興味深いですね。


ご存じのように、抜型は直線だったり曲がったりした刃をボードに埋めていきます。すべて一本の刃で作ることはできませんので、複数の刃を組み合わせていきます。その際にカブセ(ノセ)といわれる、刃と刃がぶつかる場所ができます。この部分の作り込みは型屋さんの特徴がでるところで、ぴったり合わせるところがあれば、逆に隙間を設けるところもあります(ちなみに弊社は後者です)。

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で、熱膨張の影響です。

刃の材質は炭素鋼と想定して、線膨張係数が10.92×10^-6/℃。

使用前が20℃、使用後が70℃と仮定した場合、1000㎜の切刃が0.54mm伸びる計算になります。200㎜だと0.1mm500㎜だと0.27㎜ですね。


う~ん、判断に迷いますね。

弊社は主に紙器用の抜型を作っていますので、正直あまり大きなパッケージはありません。段ボール箱ならともかく、一般的な紙器の場合であれば、あまり気にしなくてもいいのか

ここら辺は、もともと隙間をあけているから言えることで、カブセをぴったり合わせていると、刃が欠ける要因にも十分なりうると考えています。

また一度しか見たことはありませんが、プラテン部に熱をかけるヒートプレスを使う場合は、隙間の量をもっと考えないといけないということでしょうか。


今回もマニアックな話でしたが、楽しんでいただけたならうれしく思います。


お付き合いいただきありがとうございました()


  by diemex | 2023-05-15 13:07 | Trackback | Comments(0)

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