技術的なおはなしvol.16「カウンタープレートのお話」
いかがお過ごしでしょうか?
東京は暖かい日が増えだいぶ過ごしやすくなってきました。
桜が咲き始め春を感じています。
さて、今回は雌型についてご紹介します。
弊社の商品名では「カウンタープレート」としていますが、「CAD面」あるいは「CAD面板」と言った方が一般的ですね。本ブログでは、CAD面と呼ぶことにします。
改めて定義をすると、「CADデータを元に、単面毎、硬質樹脂に溝を施した雌型」です。

長所は基本的に1面1枚の構造なので段取りが容易、短所は短罫部の飛びが発生する可能性があり、溝テープやプレスボードに比べると高価ということが挙げられます。
恐らく紙器業界の抜きをされている会社様のほとんどがお使いになられているかと思います。
材料もお手軽に使える安価な樹脂から耐久性を求めてガラス繊維を配合した樹脂のものまで多岐にわたります。
CAD面の転写方式についてご説明します。
転写方式は大きく3種類に分けられます。
・ピン転写方式
・ロケーター方式
・ディスク転写方式
個人的な見解を交えながらご説明いたします。
ピン転写方式
ボードに穴を空けて転写ピンを差し込み、あらかじめCAD面に空けている穴をピンにはめ込んでから転写します。弊社の中では一般的な転写方式です。オーソドックス且つほとんどの製品に対応できていると思います。最初にピンを購入していただければ、ある程度間繰り返しご使用いただけます。


TAピン http://diemex.com/sale/mesugata.html
レーザーカットでピン穴が垂直に切れていないと転写ズレを起こすことがあるため、型を作成時にリーマーで仕上げを行っています。また押罫が垂直に入っていないと罫寄りが起こるので、型の精度には注意を払っています。
ロケーター方式
溝テープの転写方式と言えばわかりやすいでしょうか。
押罫とCAD面の溝にロケーターをはめ込み転写します。


ピン穴加工が不要で、多少押罫が倒れていても罫寄りが発生しづらいと考えています。一昔前は押罫の厚みと溝幅それぞれ用意しなければならず、在庫管理の面から躊躇していました。現在では押罫溝幅に関わらず使用できるものがありますので、個人的に注目しています。ただし、お菓子の外箱のようにリード罫だらけの製品や、一方向にしか押罫がないスリーブだと使うのは難しいと感じています。
ディスク転写方式
前の2つは何かしらを介在させ、型にCAD面を取り付けて転写させる方式でしたが、こちらはディスク上のものを一旦面板に転写させ、それにCAD面をはめ込むやり方です。



パッケージが大きな場合、大量な転写ピンが必要になりますし、打ち抜き機によってはプラテンの入り口が狭く、グリッパーバーに接触することがあり得ます。弊社のお客様でそれほど大きなパッケージを抜かれていませんのでまだ試したことはありませんが、この方式の場合はその懸念がなく使いやすいかと思います。ちなみに弊社のメタルカウンタープレートの転写方式はこの方式を採用しています。
また最近では、転写したピンを抜くことなく使用できるものもあり、各社様すごい研究されていると感じています。
そろそろうちも何か考えないと…
今回もお付き合いいただきありがとうございました(だ)。
そして、今回ブログ内容がダダ被りという前代未聞な事態となってしました...
まさかこのテーマで被るとは!
次からは編集会議が必要ですねm(__)m
by diemex | 2023-03-20 11:29 | Trackback | Comments(0)