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技術的なおはなしvol.14「ゴムの活用」

いかがお過ごしでしょうか?

昨日は小学3年の息子とスポッチャの朝割りしました。

7時半から12時までの4時間半、さすがに筋肉痛です。



さて、今回はゴムの活用についてお話しします。



以前、他のブログで型に貼るゴムの効用について記事がありましたが、基本的には切刃の周囲に貼ります。その際に部分的に貼る(点貼り)と貼っていないところから紙粉が出やすくなるなんてこともあります、わりと頻繁に。貼るゴムの種類を変えると紙粉が抑えやすくなりますなんてのが以前のおはなしです。



では、押罫にゴムを貼るとどうなるか?が今回のおはなしです。


まずは抜型の基本設定からお話しします。

技術的なおはなしvol.1112でご紹介しましたが、用紙の厚みから押罫の高さと厚み、雌型の厚み、溝深さと溝幅を算出します。

Vol.11  「罫線条件のおはなし」

Vol.12  「罫線条件のおはなし その2」


この弊社の計算式で設定した型で抜いた場合、罫線は若干弱めに出ます。理想的には手を加えずにビシッと出た方が良いのですが、紙の厚薄やオペレーターさんのムラトリ開始時期等々によって罫線の出方は変わってきます。仮に罫線が強くて刃が切れていない場合、機械の全体圧を下げ罫線の出方を調整した上でムラトリになってしまいます。無駄な作業ですね。そこで、刃が切れたときに罫線がちょっと弱いなぐらいに設定し、気になるところはムラトリテープを貼ってくださいという仕様になっています。弊社にご依頼いただいた抜き作業の時は、ほとんどの場合、縦罫に青のテープを1枚貼っています。


当然、紙の厚みや硬さによって出方は変わってきます。またお客様の仕様によってはムラトリしたら底付きして罫割れを起こす場合もあります。

その対策として、押罫にゴムを貼るとその対策になるのか?というおはなしです。

結論からいうと、ある程度の対策になります、ということに数年前に気づきました。


以下、仮説です。

・押罫で罫線を加工する際に、紙は押罫によって雌型の溝に押し込まれる。

・複数罫がある場合、各々が押し込むことにより、紙が引っ張られて伸びる。

・ある程度罫線間距離があれば、引っ張られた紙は弾性変形の域を出ずに戻る。(図1


技術的なおはなしvol.14「ゴムの活用」_a0118799_13581148.jpg

図1


・罫線間にゴムを貼ることで、紙はゴムに固定される。

・紙は固定された状態で加工されるので距離が短くなり、同じ量押し込んだ場合塑性域に達しやすい。

・結果として、ゴムがあった方が罫線は出やすい。(図2)

技術的なおはなしvol.14「ゴムの活用」_a0118799_13581136.jpg

図2

はい、もっと勉強しておけばよかったですね...

理屈はともかく、対策としては間違っていないと思っておりますので、お困りの際に試していいただければ嬉しいです。

注意点としては、溝テープだとテープの跡がつきますし、CAD面板でも形状によっては良くないことが起きる可能性があります。メタルカウンターであれば問題ないのですが、そもそもメタルカウンターの紹介をしていませんでしたので次回やります。


今回もお付き合いいただきありがとうございました()


  by diemex | 2022-11-07 14:02 | Trackback | Comments(0)

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