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技術的なおはなしvol.11「罫線条件のおはなし」

暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?
今回は出張先のホテルからお届けします笑

今回ご紹介するのは折り目についてのお話です。

一般的に折り目のことを罫とか罫線、筋など様々な呼び方があります。
ここでは、型に入っている罫を「押罫」、製品に施された折り目を「罫線」とします。
そうしないと何を指しているのかわからないからですね

紙器の場合、罫線を作るには押罫とその相手となる雌型が必要となります。
他のブログで紹介しましたが、押罫は厚みと高さ、形状が多岐にわたります。
また雌型は、溝テープ、CAD面、メタルカウンタープレートといくつかの種類があります。
その中でどうやって選ぶのかご説明します。

罫線を作るにあたり、以下の数値を決める必要があります。
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基本的は紙の厚みが選定の基準となります。
最初に決まるのは、雌型の溝深さで紙厚+0.1㎜とします。
+0.1㎜の理由は紙の底付きを防ぐことと罫線が弱いときの加圧代を残すためです。
次は雌型の厚みで溝深さ+0.1㎜です。
これは雌型を作る際に溝の底を残すためです。
押罫の先端と雌型の表面を面一にするので、刃の高さ23.6㎜から雌型の厚みを引いた数字が押罫の高さです。
4つ目は押罫の厚みでこれは使う紙の厚みによってある程度経験的に決まります。
最後の溝幅が紙厚×1.5+押罫厚み+α(αは0.1~0.2㎜)とします。

計算例を以下に示します。

紙厚 310g/m2(≒0.4[mm])
計算式
 押罫厚:0.7[mm]
 雌型厚み=紙厚+0.2[mm]=0.4+0.2=0.6[mm]
 押罫高さ=雌型の表面と面一=23.6-0.6[mm]=23.0[mm]
 雌型溝深さ=紙厚+0.1[mm]=0.4+0.1=0.5[mm]
 雌型溝幅=押罫厚+紙厚×1.5+α
=0.7+0.4×1.5+0.1=1.4→1.5[mm]

次回は、罫線について、もうちょっと踏み込んでご説明します(だ)


  by diemex | 2022-07-10 17:15 | Trackback | Comments(0)

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