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技術的なおはなしvol.6「切刃のはなし」

前回のブログの予告で次回は罫線についてと書きましたが、切刃の話に変更します!

だって、他のブログ罫線ばっかりですからね。

ということで、今回もぜひお付き合いよろしくお願いします!


刃の硬度(例外)

 前回のブログで刃先が硬い方が長持ちすると書いていましたが、実は例外があるんです。

 紙がいい、版替えが少ない、ムラトリが上手という条件をクリアした場合ですね。

 こちらのお客様は刃先70[Hs]の切刃を使ってもらっています。 

 刃先80[Hs]に替えてみたところ、刃が割れたとご連絡をいただきました。

 要するに、刃先が潰れてダメになる前に金属疲労が発生したということですね。

 ちなみに刃の交換まで1000万ショット抜かれています。 

 特異な例ではありますが、中にはこういうケースもあります。


刃先の処理について

 以前、別のブログで書いてましたが、刃のしのぎ(斜めの場所)に鏡面加工が施されているものがあります。

 鏡面=凹凸が極めて小さいので、切断時に紙のしごきが小さく紙粉が出にくいというものです。

 同じく、紙粉対策として、先端の0.何ミリのみ角度が大きな二段刃という刃材があります。この刃がいいのは紙粉対策はもとより、刃先のかえりが小さくて紙のめくれが小さいことがメリットです。

 個人的には鏡面加工刃より二段刃の方をお勧めしています。

 また、めくれがどうにも治まらない場合には先端が60°の刃を使うこともありますが、この場合、用紙の厚みよっては切り口が目立ってしまいますので注意が必要です。

 

シリコン系、フッ素系コーティング

 アルミ貼合紙の抜きのご依頼をいただき、鏡面加工刃で型を作りました。

 しばらくすると、「紙粉がすごいから一度見に来てほしい」とのご依頼が。

 なんだろうなぁとお伺いすると、紙粉というより大量の綿ぼこりが目の前に。

 サック貼りの方から(紙屋さんと間違えられて)一通りお叱りをいただき、紙を破ってみるとアルミと紙の間がもうネチャネチャと...

 「紙が悪いっすね」と言ったところで、今更変えられるわけもなく、どうにか抑えないといけない状況になってしまいました。

 そこで目を付けたのが、コーティングです。

 刃物メーカーさんのホームページに謳ってありますが、糊には効果的なんですよね。

 このときは、シリコンコーティングを使い、綿ぼこりが完全に治まり無事生産していただくことができました。

 オペレーターさんには「高価な刃なので慎重に使ってね」と耳打ちすることは忘れずに。

 実は糊対策以外にも使い道があるんです。

 コーティングの滑り性と剥離性によるものだと思いますが、ベタベタな印刷を抜く場合に紙粉を抑えやすくなります。

 紙粉対策と考えるとコーティングだけでなく罫線とかゴムとかいろいろ変えていきますが、改善要素の一つとして活用しています。

 

DLCコーティング

 とあるお客様から試作型のご依頼をいただき、いつも通り先端80[Hs]の切刃を使いました。

 するとですね、数百枚抜いたら刃がボロボロになったとのご連絡が...

 ちょっと特殊な材料でその中にアルミナ等の非常に硬い成分が入っていたんですね。

 これに比べると、鋼材なんて豆腐みたいなもんで、あっという間にダメになってしまいました。

 そこでダイヤモンドライクコーティングです!

 ダイヤモンドライクっていうぐらいですから非常に硬く、数十から数百倍長持ちしたそうです。

 また皮膜も数ミクロンと薄く切れ味を損ねないのもの魅力です。

 そこで、紙器にも使ってみましたが、明確な差はわかりませんでした。

 皮膜が硬くても母材はいつもの硬さですから、特に刃の潰れに対しては効果が見られなかったのかと思います。

 あと、断裁が壊れるんです...

 断裁の工具も鋼材ですから、そりゃDLCには勝てないよねっていうことで弊社ではお蔵入りになってしまいました。

 ワイヤーカット機があればいいですけどね。 


 お付き合いいただきありがとうございました。

 少し早いですが、よいお年をお迎えください(だ)。


  by diemex | 2021-12-03 12:04 | Trackback | Comments(0)

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