技術的なおはなしvol.5「硬さの話」
そもそも「硬さ」ってなんでしょう?
Wikipediaによると、「硬さ(かたさ、英: hardness、硬度)とは物質、材料の特に表面または表面近傍の機械的性質の一つであり、材料が異物によって変形や傷を与えられようとする時の、物体の変形しにくさ、物体の傷つきにくさである」と定義されています。
要は、硬い方が変形しずらいということですね。
型屋さんによってメインとする刃は違いますが、弊社がメインとしている切刃は先端が80[Hs]+、母材が45[Hs]です。
割と70[Hs]が多い気がしますが、いかがでしょうか?
(ここで使っている[Hs]というのは硬さの単位の一つでショア硬度といいます。刃材以外でこの硬度を使っているのを見たことはないですね、一般的にはロックウェル[Hrc]とかビッカース[Hv]かなぁと。)
人づてに70[Hs]と80[Hs]とで刃の耐久性が1.5倍ぐらい違うと聞いたことがあります。
ただ、硬いと割れやすいんです…
「靭性」というのがあって「靱性(じんせい、英語: toughness)とは、物質の脆性破壊に対する抵抗の程度[1][2]、あるいはき裂による強度低下に対する抵抗の程度のことで[3]、端的には破壊に対する感受性や抵抗を意味する[4]。材料の粘り強さとも言い換えられる」。
多分、同じ組成であれば、やわらかい方が割れにくいになるかと(うろ覚え)。
とした場合、「硬い方が変形に強い(=刃つぶれしにくい)が、割れや欠けが起こりやすい」ということになります。
そのため、型を作るときに、刃欠けが起きにくいように工夫をしています(ここでは具体的には申し上げませんが)。また、製作後も入念に検査をしています。
もし、刃の持ちでお悩みでしたら、ぜひ硬い刃を使ってみてください。
次回は罫線についてお話しします。
ご覧いただきありがとうございました(だ)。
by diemex | 2021-11-08 14:12 | Trackback | Comments(0)